普段は見ることができないゲストさんたちのプライベートな時間。そんな風景を「写真」を通じ共有できたら・・・ということで企画しましたお泊り撮影会。「カメラのフォーカスメンバー」さんには実際にROUTEのファミリールームやCABINに滞在してもらい撮影を楽しんでいただきました。今回は、YWさんのお写真をお借りします。YWさん、おそくなっちゃってすみません。
ROUTEという同じ建物で9人のかたに撮影していただいたのですが、不思議なもので同じ写真はひとつとないのですよね。当たり前といえばそうかもしれないのですが、日々このお店で過ごしている私たちからはとっても新鮮過ぎます。日常をフレッシュにエンジョイする!これ、わたくしの人生の課題です。
とあるコーヒー豆の農園主さんが「珈琲がおいしいかどうかってどうやって決まるんでしょう?」という問いに、「育てられた豆そのものもそうだけど、精製して焙煎する人、そしてそれを飲んで味わう人の状態も大きく関わってますよね」というお話をされていました。平たく言うと飲む側にも責任があるって話かもしれません。なるほどそのとおりだなあ、と膝を打って納得したことを思い出します。豆を作った人と飲む人、そして写真も。せっかくの写真も、いい環境で、いい気分で、機嫌よく見ないとですね(-_-;) 珈琲にも写真にも様々な着地点があることを知りました。
今回の企画では、長崎に「暮らすひと」がROUTEというお宿に泊まることで「旅のひと」となり、そして「暮らすひとの写真」は「旅のひとの写真」になっていました。おそらくは知らず知らずのうちに。
お宿でゲストを迎えまちをご紹介するお仕事では、あんな風にこんな風に過ごしてほしいと私達なりの着地点を思い描きながらも、ふとその着地点がわからなくなってしまうことがあります。まさに客観、ですね。
カメラでの撮影を通じ、知らず知らずのうちに「旅のひと」となってしまう姿勢こそがその着地点を知る答えであることを教わりました。日常に埋没せずに、日常こそをエンジョイすること。その源は、ぼくらのなかにあること。コロナ時代を経たからこそようやく足元を振り返ることができたんだと思います。
コロナ禍にあったこの二年間、カメラのフォーカス写真部9人のみなさまと写真を共有させてもらいながら、宿を、旅を、暮らしを、生業を、日々を改めて見つめ直す良き機会となりました。心が定まらずなかなか進められずに、長らく月日をいただきました。フォーカスのみなさま、長らくお付き合いいただきありがとうございました。またカメラ片手に西坂まで遊びに来てください~!再見!